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レオパレス、株価半値に=イメージ悪化、深刻―施工不良公表から1カ月

2019-03-07 18:02

賃貸アパート大手レオパレス21が建築基準法違反の疑いがある施工不良と入居者への転居要請を発表してから1カ月が経過した。補修工事や引っ越し、物件オーナーへの家賃補償などで損失が膨らみ、2019年3月期の連結純損益は400億円規模の大幅赤字に転落する見通しだ。株価は公表直前の515円からわずか3営業日で半値以下に急落し、7日の終値も243円と低迷。企業イメージの悪化は深刻で、業績回復の道は険しい。
2月にレオパレスが発表した施工不良の物件数は33都府県の1324棟。しかし、違法建築の疑いはこれにとどまらない。レオパレスは昨春、一部の物件で「界壁」と呼ばれる屋根裏の壁に施工不良が見つかったと公表。3万9000棟余りの全施工物件の調査を始めた。この過程で天井や外壁にも耐火性の不足など新たな問題が判明、今回の発表につながった。
発端となった界壁の全棟調査は6月までかかる見通し。万一、火災が起きれば耐火性能の不足から隣室へ簡単に延焼しかねず、音漏れも防げない。既に調査に着手した約1万4000棟のうち、8割超の1万1243棟で不備が見つかっている。
このうち1895棟が既に違法建築と確認され、国土交通省は建築基準法や建築業法に基づく行政処分を検討。営業停止などに追い込まれれば、経営への打撃は計り知れない。同省はまた、他社で同様の問題がないかの調査を検討している。
再発防止の前提となる原因究明も迷走している。レオパレス経営陣は当初、社内調査の結果を社外取締役がチェックすれば済むと考えていたようだ。ところが、国交省から第三者による客観的な調査を強く要求され、先月末にようやく外部の弁護士で構成する調査委員会を設置。今月18日をめどに中間報告をまとめる。
また、施工不良の原因となった設計図と異なる建築部材の使用について、2月の記者会見で「現場の判断でやった」と説明したが、実際には当時の担当役員が把握していたことも判明した。経営陣の企業統治能力の欠如は明らかだ。
補修工事中の物件は入居者募集を停止しており、空室率が上昇。天井の耐火性能不足で7782人に3月末までの退去を要請したことで、春の転居シーズンに引受業者が見つからない「引っ越し難民」の増加に拍車を掛ける弊害も生み出した。
[時事通信社]

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