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にじむ政権浮揚の思惑=自民主導で祝賀行事―元号発表直後に新紙幣

2019-04-10 18:51

映画監督の北野武さんら豪華メンバーが登場した「天皇陛下即位30年奉祝感謝の集い」が10日、東京都内で開かれた。開催は自民党主導。政府が新元号「令和」発表直後に新紙幣発行を打ち出したことと合わせ、お祝いムードを盛り上げて政権浮揚につなげたいとの思惑もにじむ。
「国民に常に寄り添ってこられた両陛下のお姿を胸に刻みながら、誇りある日本の輝かしい未来をつくり上げていく」
感謝の集いに出席した安倍晋三首相は祝辞でこう語り、「令和」時代になっても引き続き政権を担う意欲を強調した。
この日の集いは超党派議連や民間団体有志が開催。その準備の中心となったのは、古屋圭司・元国家公安委員長や衛藤晟一首相補佐官ら首相に近い自民党の保守系議員だ。野党からも一部を除いて幹部クラスが出席したが、長年にわたる陛下の在位を祝うのが目的である以上、呼び掛けには応ぜざるを得なかった。
新元号発表を機に、報道各社の内閣支持率は軒並み上昇した。今月下旬からの10連休も皇位継承の祝賀機運を後押しするとみられ、政府関係者は「安倍政権は随分、皇位継承に助けられている」と認める。
紙幣刷新発表のタイミングも、新元号との相乗効果を狙ったとの見方が出ている。今回は発行から5年前の発表だが、前回は2004年の発行に対し、発表は約2年3カ月前だったからだ。国民が好感する話題を提供し続け、長期政権への「飽き」を払拭(ふっしょく)する効果も期待しているようだ。
野党からは疑問の声が上がっている。国民民主党の玉木雄一郎代表は10日の記者会見で「祝賀ムードに便乗して、祝賀のてんこ盛りみたいな雰囲気を醸し出そうとしている」と指摘。社民党の又市征治党首は「政権浮揚のために何でも利用しているように見えてしょうがない」と語った。
[時事通信社]

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