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相次ぐ災害、広がる支援=ボランティア、社会に定着―「阪神」契機に意識高まる

2019-01-19 05:18

雲仙普賢岳噴火や阪神、東日本の二つの大震災など多くの災害に見舞われた平成の30年は、災害ボランティアが根付いた時代でもあった。特に、1995年1月17日に起きた阪神大震災は発災後1年で、全国から駆け付けたボランティアが延べ約137万7000人に。「ボランティア元年」と呼ばれた。その後法整備が進み、支援の輪が広がる契機となった。
「全国から自然発生的に集まり、知恵を出し合って動いていた」。阪神大震災を機に、神戸市を拠点として20年以上被災者支援に当たってきた「被災地NGO恊働センター」の顧問村井雅清さん(68)は振り返る。
村井さんによると、当時集まった人の多くは若者。大半が「初心者」で、取りまとめる組織もなかった。「経験がないからこそ話し合い、周囲の声に気を配っていた」という。ボランティア活動への意識が高まり、98年に特定非営利活動促進法(NPO法)が成立した。
2004年の新潟県中越地震は、支援者を集約して派遣する「災害ボランティアセンター」が定着する契機となった。地域の事情に詳しい社会福祉協議会(社協)が運営。11年の東日本大震災でも、196カ所のセンターを介して、多くの人が被災者の支えとなった。
ただ、準備不足で現地入りしたボランティアが食料を買い占めるなどのトラブルも起きた。そのため、内閣府は05年に参加時のマナーなどをまとめ、社協も支援の準備や心構えを周知した。
課題は社協側にもある。受け入れ態勢が整わず、センター設置が遅れて必要な人員を確保できなかったり、閉鎖後に復興の人手が不足したりすることも多いという。
社協に頼らない支援を模索する動きも出てきた。被災者が直接SNSで支援を呼び掛けるケースも多い。現地のニーズを直接聞き取り、無料のボランティアバスで人を派遣する団体なども増えてきたという。
村井さんは「自分たちの力で初期からどんどん活動できる仕組みも必要だ。現地でつながりができれば、長期的に活動する人も増えていく」と訴える。
[時事通信社]

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