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安倍首相、統計不正を陳謝=改憲、対ロシア外交踏み込まず―施政方針演説

2019-01-28 17:15

通常国会が28日召集され、安倍晋三首相は衆参両院本会議で施政方針演説に臨んだ。毎月勤労統計の不正調査について陳謝し、信頼回復に全力を挙げる方針を示した。憲法改正や対ロシア外交では踏み込まなかった。衆院代表質問が30日から始まり、夏の参院選をにらんだ与野党の論戦がスタートする。
首相は、統計問題に関し「国民におわび申し上げる」と述べ、雇用・労災保険などの過少給付について「できる限り速やかに、簡便な手続きで不足分を支払う」と約束した。「信頼回復に向け、徹底した検証を行っていく」と強調した。
ロシアとの北方領土交渉では「領土問題を解決し、平和条約を締結する」と従来の立場を説明。歯舞群島、色丹島の2島引き渡しを明記した日ソ共同宣言(1956年)を基礎に「交渉を加速する」と語ったが、現状や見通しは示さなかった。
改憲に向けては「国会の憲法審査会の場で、各党の議論が深められることを期待する」と述べた。昨年の演説では、各党に具体的な改憲案を国会に持ち寄るよう呼び掛けたが、参院選を前に対立をあおるのは逆効果と判断したようだ。
10月に予定する消費税率10%への引き上げに向け、国民に理解と協力を求めた。首相は増税を2回延期しているが、「少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、安定的な財源がどうしても必要だ」と訴えた。
8%引き上げ時の教訓を踏まえて景気の冷え込み対策に万全を期すとし、「(増税分を)全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとする」と語った。
安全保障面では、サイバーや宇宙などの領域を重視。新たな防衛力の構築へ「従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進める」と強調した。
首相は「時代遅れの規制や制度を大胆に改革する」と力説。「交通に関わる規制を全面的に見直し、段階的に自動運転を解禁する」「携帯電話の料金引き下げに向け、公正な競争環境を整える」と主張した。
通常国会の会期は6月26日までの150日間。
[時事通信社]

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