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安倍首相演説、際立つ既視感=施政方針

2019-01-28 15:03

安倍晋三首相の施政方針演説は新味に乏しく、過去に打ち出した政策の推進を強調する内容となった。これまで柱となる政策の「看板」を掛け替え清新さを演出してきたが、息切れ感もにじむ。
演説では、1億総活躍、全世代型社会保障、デフレマインドの払拭(ふっしょく)、地方創生などに次々と触れた。だが、地方創生は2014年の臨時国会、1億は16年の通常国会、全世代型社会保障は昨年の臨時国会でいずれも掲げた看板。デフレ脱却は政権復帰以来の課題だ。
むしろ、首相が政権に復帰して6年を過ぎて今問われているのはこれらの結果で、もはや「道半ば」との説明で国民を説得するのは難しくなりつつある。
「戦後日本外交の総決算」も打ち出したが基本方針を繰り返すだけで、淡泊な印象は否めない。ロシアとの平和条約交渉を具体的にどう進めるのか、演説で道筋は示されなかった。交渉の中身の言及を避ける首相の姿勢には批判も出ており、説明責任を求める声も強い。
毎月勤労統計の不正調査問題については陳謝したものの、国の基幹統計の4割に不適切な事例があったことが判明するなど、政府への不信感は高まっている。昨年も財務省文書改ざんや自衛隊部隊の日報隠しが問題となった。事態を収束させて早急に信頼を回復しなければ、政策遂行に国民の支持は得られない。
[時事通信社]

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