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施政方針演説要旨

2019-01-28 14:32

安倍晋三首相の施政方針演説要旨は次の通り。
【一、はじめに】
平成最後の施政方針演説を申し述べる。本年4月30日、天皇陛下がご退位され、皇太子殿下が翌5月1日にご即位される。国民こぞってことほぐことができるよう、万全の準備を進めていく。
【二、全世代型社会保障への転換】
わが国の持続的な成長にとって最大の課題は少子高齢化だ。これまでの政策の延長線上では対応できない。次元の異なる政策が必要だ。「希望出生率1.8」の実現を目指す。10月から幼児教育を無償化する。来年4月から、真に必要な子どもたちの高等教育も無償化する。
勤労統計について、長年にわたり不適切な調査が行われてきたことは信頼を損なうものであり、国民におわび申し上げる。再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行っていく。
2025年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進める。少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引き上げによる安定的な財源がどうしても必要だ。10月からの10%への引き上げについて、国民の理解と協力をお願い申し上げる。来年度予算では、頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、「戦後最大のGDP(国内総生産)600兆円」に向けて着実に歩みを進めていく。
【三、成長戦略】
時代遅れの規制や制度を大胆に改革する。電波は国民共有の財産だ。割当制度への移行など有効活用に向けた改革を行う。電子申請の際の紙の添付書類を全廃する。引っ越しなどの際に同じ書類の提出を何度も求められる現状を改革する。4月から即戦力となる外国人材を受け入れ、新たな成長につなげる。
【四、地方創生】
昨年、異次元の災害が相次いだ。7兆円を投じ、異次元の対策を講じる。3年間集中で災害に強い国土強靱(きょうじん)化を進めていく。
来年、日本にやってくる復興五輪。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、世界に発信しようではないか。
【五、戦後日本外交の総決算】
自由貿易が今、大きな岐路に立っている。自由で公正な経済圏を世界へと広げていくことがわが国の使命だ。昨年9月の共同声明にのっとって、米国との交渉を進める。
今こそ戦後日本外交の総決算を行っていく。外交・安全保障の基軸は日米同盟だ。深い信頼関係の下、沖縄の基地負担の軽減に取り組む。20年以上に及ぶ対話の積み重ねの上に辺野古移設を進め、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現する。
サイバー空間、宇宙空間における活動に各国がしのぎを削る時代となった。新しい防衛大綱の下、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進める。
この6年間、地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で積極的な外交を展開した。平成のその先の時代に向かい、いよいよ総仕上げの時だ。
昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻った。首脳間の往来を重ね、日中関係を新たな段階へと押し上げていく。
戦後70年以上残されてきた課題について、必ずや終止符を打つとの強い意志をプーチン大統領と共有した。首脳間の深い信頼関係の上に、1956年(日ソ共同)宣言を基礎として交渉を加速していく。
北朝鮮の核、ミサイル、最も重要な拉致問題の解決に向けて、次は私自身が金正恩(朝鮮労働党)委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していく。不幸な過去を清算し、国交正常化を目指すために米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携していく。
【六、おわりに】
憲法は国の理想を語るもの、次の時代への道しるべだ。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場で各党の議論が深められることを期待する。
[時事通信社]

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