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消費増税、少子化克服に必須=日ロに意欲、改憲は抑制―安倍首相施政方針

2019-01-28 17:44

安倍晋三首相は28日午後の衆参両院本会議で、平成最後の施政方針演説を行った。10月に予定する消費税率10%への引き上げについて「少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるため、どうしても必要だ」と述べ、国民の理解を求めた。懸案の北方領土問題は「次の世代に先送りせず、必ずや終止符を打つ」とロシアとの交渉妥結に意欲を表明。憲法改正に関しては自民党案の国会提示に言及せず、「国会の憲法審査会の場で議論が深められることを期待する」と語るにとどめた。
また、毎月勤労統計の不正調査問題に触れ、「国民におわび申し上げる」と陳謝。不適切な事例が見つかった他の基幹統計を含め、「信頼回復に向け徹底した検証を行っていく」と述べた。
演説で首相は「わが国の持続的な成長にとり最大の課題は少子高齢化だ」とし、従来の延長線上ではない「次元の異なる政策」が必要だと指摘。「希望出生率1.8」の目標実現に向け、10月から幼児教育、来年4月から低所得世帯を対象に大学など高等教育を無償化する方針を説明した。
同時に「2025年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進める」と強調。景気の腰折れを防ぐため「頂いた消費税(増税分)を全て還元する規模の十二分な対策を講じる」とも述べた。
外交では、第2次政権発足以来掲げてきた「地球儀俯瞰(ふかん)外交」について「総仕上げの時だ」と力説。北方領土問題に触れ、「1956年(の日ソ共同)宣言を基礎として交渉を加速する」と意気込みを語った。日本人拉致問題については「あらゆるチャンスを逃すことなく果断に行動する」として日朝首脳会談の実現にも意欲を示した。
ただ、関係が悪化する韓国に関しては、北朝鮮対処の文脈で「米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携していく」とだけ述べた。
安全保障では「サイバー、宇宙空間の活動に各国がしのぎを削る時代となった」と指摘し、新たな防衛力構築へ「従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進める」と表明。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)について「20年以上に及ぶ対話の積み重ねの上に(名護市)辺野古移設を進め、一日も早い全面返還を実現する」と強調した。
皇位継承については「国民こぞってことほぐことができるよう万全の準備を進める」と述べた。
[時事通信社]

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