特集


高まる統計不信=相次ぐ不適切事例、背景に「人員不足」

2019-01-24 23:35

厚生労働省の毎月勤労統計をめぐる不正を受けた一斉点検で、国の22の基幹統計に不適切な事例が見つかった。雇用保険の失業手当などで延べ約2000万人に支払い不足が生じた毎月勤労統計のような国民生活に直接影響を与える事案こそなかったが、統計への不信感が一段と高まるのは確実だ。
今回の一斉点検では、国土交通省の建設工事統計で数値の訂正が必要となった。同省は「限られた人員の中で毎月公表しており、チェック体制が十分でなかった」と釈明した。
点検を受け、同省は24日、データを確認できた2017年2月から直近の18年11月までの数値を一部修正。同10月の施工高は前年と比べ伸び率が178.4%から6.4%へ大幅な下方修正となった。
一方、それ以前については、事業者に過去分の再提出を求めているが、必要なデータを集められるかどうか「分からない」(国交省幹部)という。
建設工事以外にも、一部の必要な項目で集計しなかったり公表しなかったりしたケースが9統計であった。ある民間エコノミストは「予算や人員が減る中、適切な経済政策の基礎となる統計が役所の仕事として重視されていない」と嘆く。
各省庁の点検結果を公表した総務省の幹部は記者会見で「各省庁は統計の重要性を認識し、しっかり取り組んでほしい」と訴えた。今回の点検は56の基幹統計のみを対象としており、それ以外の233の一般政府統計についても、今後、精査する考えを示した。
[時事通信社]

その他 特集記事