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真の所有者指摘も無視=偽造書類見抜けず―発覚後に社内対立・積水ハウス

2018-10-16 16:58

積水ハウスがだまされた地面師事件では、同社のずさんな対応が目立った。仮登記後に本物の所有者から再三、「提出された書類は全て偽造」などと指摘があったのに無視していた。
同社東京マンション事業部が問題の土地の売却情報を入手したのは昨年3月。4月に契約を締結し、手付金約14億円を支払い、仮登記を行った。
5月、これを知った本物の所有者が「登記済証は自分が持っており、提出された書類は全て偽造」などとする内容証明を複数回、積水ハウスに送っていた。
本来は調査すべきところ、同社は「取引妨害の嫌がらせ」として無視。「登記を完全履行することによって沈静化する」と考え、6月に残金約49億円を支払った。
事件発覚後、同社は「地面師側の犯行が狡猾(こうかつ)、大胆で、リスク管理部門までも現場の先入観に左右された」とのコメントを発表した。担当者らが地主を名乗る女らと接触した際も、後に偽造品と判明したパスポートなどで本人確認をしただけだったとし、「過度に信頼し、調査が不十分な状況で契約を進めた」と説明した。
発覚後の対応もお粗末だった。責任をめぐり、当時社長だった阿部俊則氏(現会長)と会長だった和田勇氏が対立。今年1月の取締役会で互いに解任動議を提示し、和田氏が辞任するなど、社内の混乱を招いた。
[時事通信社]

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