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民間と競合、プレッシャーも=障害者雇用水増し、地方でも相次ぐ

2018-08-28 19:18

中央省庁による障害者雇用の水増し問題を受け、地方自治体でも国のガイドライン(指針)に反して障害者数を過大に計上しているケースが明らかになっている。指針の拡大解釈やプライバシーへの配慮を理由に、障害者手帳を確認せず不適切に算定する事例が相次いで発覚。法定雇用率達成へのプレッシャーや、採用で民間企業と競合していることなどが背景にあるとみられる。
政府は10月までに全国の自治体について、実態を調査する方針だ。
障害者雇用促進法は、国や企業と同様、地方自治体にも一定割合以上の障害者の雇用を義務付けている。厚生労働省の指針では、法定雇用率に算入できる障害者を、原則として障害者手帳などを持つ人に限定している。
これまで発覚した多くの自治体は意図的な水増しを否定。手帳の確認をせず、職員の自己申告に基づき算定していた山形県の担当者は「指針の認識が不十分だった」と釈明する。指針は障害を確認する際にプライバシーへの配慮も求めており、山梨県の担当者は「本人への確認をちゅうちょしてしまった」と話した。
「法定雇用率の達成がプレッシャーになっていた」(岡山市教育委員会)との声も。別の教委担当者は「雇用率を引き上げるため、現職員の自己申告で障害者を掘り起こす気持ちが働いていたことも否定できない」と明かす。
職員採用で企業と競合する実態もある。ある自治体担当者は「障害者の応募自体が少ない年もある。どうしても待遇の良い民間企業に人材が流れてしまっている」と採用に苦慮する実情を語った。
[時事通信社]

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