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くすぶる通貨安問題=貿易摩擦、解決の糸口見えず―G20

2018-07-23 15:47

【ブエノスアイレス時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、焦点となった貿易摩擦に関し、制裁関税などを繰り出す米国は通貨安問題を持ち出す可能性に言及した。議題にはならなかったものの、米国が貿易赤字の是正のため為替政策でも要求を強めるリスクが改めて浮上。米国の強硬姿勢は変わっておらず、摩擦解消の糸口は見えないままだ。
ムニューシン米財務長官は22日の記者会見で、中国側と貿易や通貨問題に関し、話す機会はなかったと述べた。しかし、G20に先立つメディアの取材では「通貨を弱くすることで中国が有利になるのは明らかだ」と指摘。中国が人為的に通貨安を誘導していないか監視の目を光らせると強調した。
トランプ大統領は、中国と欧州連合(EU)が通貨を安くして貿易で有利になっていると主張。通貨安につながる低金利とドル高にも不満を示している。金融緩和を続ける日本もターゲットにされる可能性は否定できない。
議長国アルゼンチンのドゥホブネ財務相は「建設的議論がG20の最も重要な役割だ」と語り、会議では貿易摩擦をめぐる議論よりも協調の演出を優先したことを打ち明けた。EUのモスコビシ欧州委員は貿易政策で各国の見解に相違が残ると語り、米国とそれ以外の国の溝が深いことをにじませた。
トランプ政権は、自動車や自動車部品、中国製品5000億ドル(約55兆円)への関税を検討中。秋の中間選挙を見据えて通貨安問題にまで飛び火し、貿易摩擦がさらにエスカレートする恐れがある。出口の見えない衝突が、息切れ感の出始めた世界経済の波乱要因になりかねない。
[時事通信社]

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