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弟子の死刑執行「残念」=心理的変化の解明を―マインドコントロール専門家

2018-07-07 15:22

日本脱カルト協会の代表理事で、オウム真理教によるマインドコントロールの研究を進めてきた立正大の西田公昭教授(社会心理学)が7日までに取材に応じ、「死刑執行により、元教団幹部らの事件後の心理的変化を解明する機会を失ったことは残念。心の解明がなければ、オウム事件の解決もできない」と語った。
西田教授は事件の公判で心理学の専門家として証言し、元幹部らとの面会も重ねてきた。死刑執行された元幹部らの中には、収監後も松本智津夫元死刑囚を「尊師」と呼び、崇拝し続けた者も。背景にあったのが、薬物を使った神秘体験などで一般人を巧みに引き込み、犯罪行為を善行だと思い込ませた教団のマインドコントロールだった。
西田教授は「教祖と決別するには、ポア(転生)だと信じてやった行為がただの殺人だったと認めなくてはならず、大変な苦しみ」と説明。こうした心理は中東やアフリカで繰り返される自爆テロの実行犯とも重なるといい、「収監後も信仰を続けた人と、離れられた人の心理的な違いは何だったのか。それを解明できれば、テロ事件の抑止に役立てられただろう」と悔やむ。
元幹部らとの対話を通じて、彼らは「世の中を良くしようという気持ちが強い、普通の人たち」だと感じたという西田教授。マインドコントロールは荒唐無稽な出来事ではなく、誰もが巻き込まれ得ると警告し、「ちょっとしたことでわれわれは変わってしまう可能性がある。そこに気付かなければ、同種の事件を防ぐことはできない」と語った。
[時事通信社]

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