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長官銃撃、残る謎=オウム村井幹部刺殺も―元幹部ら死刑、証言不能に

2018-07-07 11:21

オウム真理教をめぐる事件の捜査が進むさなかに起きた警察庁長官銃撃、故村井秀夫幹部刺殺の二つの事件は、真相や背景について謎が残されたままだ。元教団幹部らの証言による解明を望む声もあったが、松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚(63)ら7人の刑が執行され、難しくなった。
国松孝次警察庁長官(当時)が何者かに狙撃されたのは、地下鉄サリン事件から10日後の1995年3月30日。出勤のため東京都荒川区の自宅マンションを出たところ、背中や腹などを撃たれ、重傷を負った。警視庁は2004年に教団信者だった元同庁巡査長や元教団幹部らを殺人未遂容疑などで逮捕したが、元巡査長の供述が変遷して実行役を特定できず、いずれも嫌疑不十分で不起訴となった。
事件は10年3月に公訴時効を迎えたが、同庁公安部は「オウムによる組織的テロ」と断定する異例の「捜査結果概要」を公表。「推定無罪に反する」と批判を浴び、後継団体のアレフが都に損害賠償を求めた訴訟では100万円の支払いを命じる判決が確定した。
オウムは無関係との見方も根強く、名古屋市の現金輸送車襲撃事件などで服役中の80代の男の関与も取りざたされた。長く取り調べた同庁刑事部捜査1課の元幹部は今年3月に著書を出版し、男の犯行と主張。捜査に関わった同庁幹部の1人も「男が犯人だと思う。上につぶされた」と同調するが、別の幹部は「(元幹部は)全体を知る立場にいたわけではない。ただの感想文だ」と切り捨てた。
教団ナンバー2だった村井幹部は95年4月、東京・南青山の教団東京総本部前で刺殺された。現行犯逮捕された男は懲役12年の有罪判決が確定したものの、指示役とされた元暴力団幹部は無罪に。裏社会の関与が指摘されながら、動機や背後関係は解明できなかった。
[時事通信社]

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