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「オウム事件、終わらない」=再発防止や法整備訴え―識者ら

2018-07-06 17:22

オウム真理教の元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚と元教団幹部ら計7人の刑が執行されたことを受け、教団や事件に長年関わってきた識者らは6日、「死刑執行でオウム事件が終結するわけではない」などとして、事件の教訓を踏まえ、社会全体で再発防止を図ることが重要だと訴えた。
一連の事件の被害者支援に携わってきた諸沢英道・元常磐大学長(犯罪学)は「法務省はオウム関連の判決が全て確定するまで執行を待つなど、慎重の上にも慎重を期して対応してきた」と指摘。「執行まで長い年月を要し、見届けられずに亡くなった被害者や遺族は無念だろうが、法治国家として丁寧な法手続きだった」と評価した。
一方で、「類似したテロ事件の再発防止や、被害者の支援などについては、これまで具体的法整備がなされてこなかった」と言及した。「死刑囚全員の執行が終わったとしても、オウム事件が終結するわけではない。多くの課題が残っていることを政府も国民も認識する必要がある」と警鐘を鳴らした。
教団に襲撃された経験があり、信者の脱会支援を続けている滝本太郎弁護士は「松本死刑囚の執行に立ち会えず残念。現役信者には『麻原彰晃という人はもともと存在しなかった』と伝えたい」などと文書でコメント。弟子だった死刑囚らについては「事件や麻原死刑囚について語ることで、教団の根絶や類似事件の防止に役立ったはず。他の6人の死刑執行は有害無益であり、強く抗議する」とつづった。
ジャーナリストとして長年教団を取材してきた有田芳生参院議員は「教団に入ったのは真面目で優秀な人たちだった。今からでも、若い人たちがオウムのようなカルト教団に入っていく可能性がある」と指摘した。その上で「オウム事件は終わったのではなく、これからも続いていく。そういう問題として考えなければいけない」と語った。
[時事通信社]

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