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W杯日本白星スタート

福島の「今」、感謝伝えに=中学生3人、ロシアW杯へ―名物サポーターら企画

2018-06-14 14:39

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県南相馬市の中学生3人が、サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)で日本代表の試合を現地観戦する。世界に福島の「今」と支援への感謝を伝えようと、サポーター有志がW杯招待プロジェクト「トモにロシアへ」を企画した。
企画したのは、ちょんまげ姿がトレードマークの千葉県柏市、靴店経営角田寛和さん(55)。1993年の「ドーハの悲劇」を見てサポーターになり、北京五輪で見たバイキング姿の外国人に触発され青い甲冑(かっちゅう)を作った。「ちょんまげ隊長」として日本代表を応援しつつ、被災地にも足を運んできた。
震災のボランティア活動は当初、「1回ぐらいの偽善」のつもりだった。店の倉庫から600足の靴を持ち出し、宮城県の塩釜、名取、岩沼市を回った。娘と同じ年頃の子が体育館の床に寝ている姿を見て、ちょんまげ姿を披露したところ、子どもたちが笑顔で集まった。帰り際の悲しそうな表情に思わず「また来るよ」。東北は100回、熊本地震の被災地は20回行った。
最初は無力感から食事もろくに取れなかった。そんな中、誘われて観戦したJリーグ・ベガルタ仙台の試合に仰天した。「満員、黄色一色で『レッツゴー』って叫んでいた。スタジアムの一人ひとりに悲しみがあるけど、応援する姿を見てサッカーはすごいと思った」
4年前のブラジルW杯には宮城県・牡鹿半島の中学生4人を連れて行った。ベガルタサポーターから「支援が届いていない」と聞いたことがきっかけだ。「そんな金があるなら他に使え」との批判もあったが、「スタジアムには感動が落ちている」と決意。有志で300万円の寄付を集めた。
ロシアW杯では福島第1原発の30キロ圏にある南相馬市原町区の中学生3人が、19日の初戦コロンビア戦を観戦する。現地の子どもと交流し福島の現状を説明するほか、宮城、福島、熊本各県の子どもたちが手作りした「感謝」の鉢巻き1000本をスタジアムで配る。
参加する原町第一中の青田琉園さん(14)は「海外から支援物資などを頂いたことがとても多かった。感謝の気持ちを伝えたい」と話している。
[時事通信社]

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